体験に学ぶ。落水事故本人体験記 / 琵琶湖港 3月夜間に起きた事故!

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 自分は海に落ちないと過信する人達

 

海に釣りに行き防波堤を見渡すとライフジャケット(救命胴衣)を着用している人は1割から良くて2割の低い装着率といったところでしょう。

 

フェイスブックなどSNSの投稿でもライフジャケット未着用の投稿写真をよく見かけます。多分未着用の方達の多くは、俺は大丈夫と思い込んでいるのではないでしょうか…

 

数年前、実際に平戸で落水事故が起こり死亡事故が発生した時のことを「エギングで命を落とした青年」として記事に書きました。その記事を読んでくださった読者の方から自らの落水体験をお寄せくださいました。許可を頂きましたので、苦いご体験を多くの方々に教訓として生かしてもらいたく紹介させていただきます。

 

琵琶湖 落水体験記

 

(リアルにお伝えするべく原文のまま長文となります。)




 

夜10時ごろポイントに到着

アメダスでは夕方に吹いていたはずの風が今は落ち着いていた。
車はとまっていたけど釣り人のではなさそうだ。実際ポイントに人はいなかった。

(よしよし)

要所2ヶ所を流してから最初のポイントに戻ろう。

そう考えていた。

まず1ヶ所目。(・・・)

ノーバイト。(風が弱いからかな?)

(この雰囲気はダメかもしれんから戻った方が良いかな?)

(いやいや、せっかく来たんだから一通りやってみてからだ)

 

 

2ヶ所目手前から始めた。

スマホに気をとられ

流し始めてフェイスブックのお知らせがきてたのを思い出し、スマホを見ながら釣りしながら歩いていた。

気が付くと左足が堤防ギリギリの位置にあった。
(ヤバイヤバイ、気を付けなきゃ)

なんて思ったのに、再びスマホに目を落として足を進めていた。

(!!!!!!!っ!!!!!!!)

左足が空を切り事故は起きた

右腕で体を支えようとしたが一瞬落下スピードを抑えただけに終わった。

〈ドバボォン!!!〉
(はあ!?ウソだろ!?!?)

自らの状況を疑った。

ここはとても足がつくような深さではない。

それなのに足は底を探して空しく動いていた。

少し水を飲んだ。

とりあえず息をしなくては。

必死で水面から顔を出した。

厚着しているせいか浮力もあり、浸水はゆっくりで思ったほど冷たくは感じなかった。

(これならしばらく大丈夫かも)

犬掻きで、もがいていた

水面から堤防の上までは1m弱。

ここからはまず上がれない。

突堤の先に行くかそれとも戻るか?

先端まで行けば消波ブロックがありそこから上がれる。

しかし途中で掴んで休めるような物はなかったはずだ。

それにそちらに行くのは恐怖を感じた。

戻っていけば錆びた梯子が水中へ伸びている場所がある。

ただ、どれくらい先にあるか分からない。

落ちたらそこから上がるしかないと良く思っていた。

もう梯子に賭けるしかない。

犬掻きで進もうとした。

しかし動いてる割に進まない。

水面から顔を出すのが精一杯だった。

何でこんなに進めない?

堤防壁面にしがみつけるか試みたが、引っ掛かりはなく指先が滑るのみ。

 

恐怖感が一気に増大した

 

大鎌持った死神がハリポタのディメンターのように水中を漂いながら近付いてきている気がした。

(うわ!これ、死ぬぞ!)

(せっかく良い魚釣れたのに、これで終わり!?)

このまま1人で沈んでいくのか・・・

一瞬弱気になった。

たまらなく寂しくなった。

ここで何かが湧き上がった。
(くそ~~~っ!)

足に違和感を覚える。

(何だこのウエーダー履いてるみたいな感覚は!?)

ウエーダーを履いたまま流されたら脱がないといけない。

そんな事を思い出した。

(ウエーダーなんてこんな状況で脱げるのか!?)

(いや、履いてないのに何だこの感じは!?)

ここで死神が引っ張ったのか神様が手助けしてくれたのか、長靴が片方脱げかかっているのに気付いた。

(そうだ!長靴!!)

履いたままでは何ともなりそうになかった。

長靴は諦めよう。

バタ足のようにして長靴から足を抜いた。

大分泳ぎやすくなった。
ちょっと落ち着いた。

(帽子も買ったばかりのネットもどっか行っちゃっただろうな)
(バッグの中のデジカメもダメだな)

脱げてしまった帽子は道場の合宿で師範からいただいたもので、完全に色褪せても使っているお気に入りのキャップだった。

気になったけど探してる余裕はとてもない。

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ネットの確認もする余裕はなかった。

泳ぎやすくはなったけど動いてないと沈んでいってしまう。

今思えば服に水が浸みて浮力が弱くなってきたのだろう。
(服、脱ぐべきか?)

脱いだら泳ぎやすくはなるが体温は急激に奪われる。

脱がない方が良いかもしれない。
しかし犬掻きでもがき続けても梯子まではとても行けそうにない。

(えいくそ!)

犬掻きではダメだ。

背泳ぎ状態に体勢を切り替えた

こちらの方がずっと楽だった。

(これなら何とか・・・)いけそうな気がした。

バテないように力を抜いたバタ足で突堤壁面に沿って進んで行く。
「ヒッ・ヒッ・ヒッ・ヒッ・ヒッ・・・」

気が付くと、声なのか呼吸なのか分からない情けない音を口から出していた。

紐が見えた。

下端が腕を伸ばして丁度届く辺りだ。

紐が堤防の上から垂れてれば良かったが、どうなってるのか壁面の中ほどから出ていた。

長さは40~50cm。

体重をあずけるには細く見えた。

それに脆くなってるかもしれない。

壁面から抜けるかもしれない。

それでも掴んでみた。

普通に持つだけでは滑る。

手に巻いて腕に力を込めた。

かなりしっかりしている。

上がれないか試してみた。

壁面に掛けた足が滑る。

引っ掛かりがなければ無理だ。

と思ったら、幸い水面下に足の親指がかろうじて引っ掛かる小さな窪みがあった。

窪みに足先を掛け、紐を引きながら身体を水面から上げる。
と同時に予想以上の重さがのしかかった。

水を含んだウエアの重いこと重いこと

足先に力を込めたら滑った。

上るための足場にするには浅い窪みだった。

ここで身に付けている物を突堤の上へ置き、体を少しでも軽くしてから上る事を試みた。

まずはロッド&リール。
こんな状況でも持っていた。

どうやって持っていたかは覚えていないがとにかく手放さずにいた。

大事な相棒だ。

放り投げて壊したくはない。

必死で体を引き上げて片腕をいっぱいに伸ばして慎重に置いた。
次にヒップバッグ。ベルトを外そうとバックルをまさぐると、

(お!)ネットの柄がベルトにまだ刺さっていた。

引き抜いて堤防の上へ置こうとしたら、帽子のツバに付けたクリップランプが帽子と共に網部分に引っ掛かっているのが見えた。

(おお!帽子も無事だ!)

ヒップバッグも外して堤防の上へ。これで両手も空いたし上れるかもしれない。

右手で紐を引き、窪みに掛けた右足先に慎重に力を込め、左手を思いっきり伸ばして堤防上面へ掛けた。

右手を堤防に伸ばそうと紐を放した途端、足先が滑り左手も滑り再び逆戻り。

もう一度試したけど無理だった。上れはしない。

しかし足を窪みに掛けて紐を持っていれば、しばらく耐えていられそうだ。

ここで休んでから再び泳ぐか?

この先、似たような休める場所があるかどうか?

紐はあっても都合良く足を掛ける窪みがあるか?

足を掛けてないと手に紐がきつく食い込んで長くは持っていられそうもない。

 

闇夜では状況がわからない

梯子までの距離は分からない。暗くて見当もつかない。途中で力尽きたら終わりだ。

ここで助けを待つのが一番だ。S木さんには迷惑かけるけど電話してみよう

スマホは幸い防水

携帯を以前琵琶湖に奉納してからは首掛けストラップにしてある

手にしたまま落ちたので首からぶら下がっているはず。
すぐに見つかった。
右手に紐を巻いて左手で電話した。

水が付いてるせいか音声は非常に聞き取りにくかった。

それでも何とか状況を伝えて助けをお願いした。

とりあえず一安心。

そのまましばらく待っているうちに身体が冷えてきてるのを感じて不安になってきた。

冷えて力が入らなくなったら沈んでしまう。

警察沙汰にはしたくなかったが仕方がない。

110番に通報した。

すぐに向かってくれるそうだ。

電話は繋いだ状態にしておくと言われた。

向こうもこちらの事を考えてのことだから当然といえば当然だが、右手に紐が食い込んで辛くなってきた。

持ち替えるとスマホが水に浸かる。

そうするとまた音声が聞き取りにくくなる。

このまま耐えるしかない。

「身体が冷えてきました」

『今向かってます!』
『もう少し頑張って下さい!』

S木さんが先かお巡りさんが先か?

どちらにせよ待つしかなかった。

「身体が冷えてきました」
「今どの辺りですか?」

あとどれくらいもつのだろう?
こういった限界は突然やってきそうな気がする。

右手の痛みも麻痺してきた。
『近くの信号まで来ています』
「〇〇町の?」『そうです』

良かった。もうすぐだ。

パトカーが来るであろう背面方向に首を向けていると赤色回転灯が目に飛び込んできた…

以上

まとめ

 

釣り中のスマホはとても危険である。

スマホは首からかけ防水対策をとっておこう。

ライフジャケット着用は海では常識。

危険な夜釣りはなるべく安全な場所を選ぼう。

服が水を吸うと身体は自由を奪われ簡単に泳げない。

この体験記は琵琶湖ですが、海はもっと過酷な条件になるということ。


 

長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。

楽しい釣りで命を落とさない為に、家族が悲しまないよう シェア歓迎です。

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ABOUTこの記事をかいた人

中島 英樹

名前:中島 英樹 国内トップレベルの閲覧数を誇る“THEエギング烏賊追い人のブログ”を運営するエギングブロガー。佐賀県在住で長崎県の平戸をホームに一年中アオリイカをメインに追っている。座右の銘は「狭き門より入れ」家庭では妻・一男二女の父。夢は子や孫と国境で待ち合わせる旅をすること。1967年3月生まれでビールと烏賊が大好物。